『アメリカの大学の単位制度』

こんにちは。アメリカの大学の単位制度ってどうなってるのか分からない。GPAの仕組みは?日本の大学の単位制度と似てるの? そんなアメリカの大学の単位制度にまつわる疑問に今回は答えていきたいと思います。
 

 

卒業に必要な単位は124単位前後

アメリカの多くの大学では卒業に必要な単位数が124単位前後です。これは日本の大学の単位制度ととても似ていて、「4年間=8学期」と考えると1学期あたりにとるべき単位数は平均15~16単位ほどです。
日本の大学生は3、4年次の就職活動を見越して1、2年次に1学期あたり20単位以上とる傾向がありますが、アメリカでは1学期あたりに取得する単位は基本的に20単位までです。稀にダブルメジャーなどで専攻が2つある学生などは20単位以上とることもありますが、1学期に20単位以上取ってしまうと追加の授業料が発生するため20単位が基本とされています
ダブルメジャーに関してはこちらの記事で。
アメリカの大学生の中には大学3年、または3年半で卒業しようと計画している学生もいます。彼(女)らは追加料金を支払っても良いから単位をたくさん取り早く卒業して、トータルで見たときの学費を抑えようと考えるのです。
 

 

基本的には1クラスあたり3単位制

アメリカの大学の1クラスあたりの授業単位は3単位です。したがって1学期あたり20単位までと考えたときに、「3単位×6クラス=18単位」なので6クラスまでが基本です。
1学期に6クラスとり、なおかつ良い成績を収めることは簡単ではありません。アメリカ生活に慣れる前の渡米して最初の1学期目などは18単位は負担になることが多いと覚えておくと良いと思います。
アメリカの大学の中には学校のシステムとして、1クラスあたりの単位を4単位に設定している大学もあるので仮に他の大学へ(から)編入する場合は注意してください。編入後に単位制度の問題で失う単位が多いことが多々あります。
例えば、3単位制の大学で2年間、毎学期に15単位取得して(15単位×4学期=)60単位取得していたとします。4単位制の大学では、1クラスあたりの単位が4単位と多いため、同じような授業を受けていたとしても時間数が足りないため、正式単位としては認められないことがあります。
 

 

編入を視野に入れているなら基礎科目を受講すべし

アメリカでは編入する文化があり、より良い環境を求めて他の大学に移る学生も多くいます。
最初の2年間をリベラルアーツ系の小規模の大学で過ごし、学費を抑えつつ、3年次からは大規模の名門大学に編入することが良い例です。また大学アスリートの学生がチーム内でのレギュラーとしての出場機会を求めて他の大学に移ることもあります。
こういった編入を視野に入れている場合、1、2年次には編入先の大学でも単位が返還されやすい基礎科目を中心に受講しておくと失う単位を減らせます。基礎科目というのはいわゆる一般教養のクラス(General Education)で、数学や歴史、科学の入門のクラスなどです
文系科目を専攻している学生もこういったクラスは必修科目であることが多いため、取っておいて損はありません。科学のクラスであればLabと呼ばれる実験のクラスも1つは必修なのでLabのクラスを取っておいても良いと思います。
編入関してもっと知りたい方はこちら。
 

 

理系科目の場合は卒業単位が130を超えることも

一般的に理系科目の専攻の場合の方が必要卒業単位が増える傾向にあります。これはLab(実験)の授業数が多いためです。
特にEngineer系の機械工学や石油工学の専攻なんかだと130単位を卒業に必要な単位としている場合が多いです。
私の大学でのPetroleum Engineering(石油工学)を学んでいたアジアの留学生は実験のクラスが多く、徹夜でレポートを書いている学生も多くいました。自分の専攻によって卒業単位が左右されるので、事前に大学に問い合わせることをオススメします。
 

 

GPAは3.0以上をキープすべし

日本の大学でも近年使用されるようになったGPA(Grade Point Average)制度はアメリカの大学でももちろん使われています。GPA制度とは履修科目の1単位あたりの成績を数値化したもので、以下のような基準で表されます。
A+ =4.0 (100%) A- =3.75 (95%) B+ =3.5 (90%) B =3.0 (85%) B- =2.75 (80%) C+ =2.5 (75%) C =2.0 (70%) C- =1.75 (65%) D+ =1.5 (60%) D- =0.5 (55%) F=単位無し
大学院への進学にはGPAで3.0以上必要なので、大学4年間を通してB以上の成績を収める必要があります。アメリカの大学では2学期連続でGPAが2.0を下回ると退学になるので最低ラインとして平均C以上の成績を維持していく必要があります。そのため無理に単位をたくさん取って、成績自体が下がることは避ける必要があります。
ある程度の成績を維持しなければ、入学時に確約された奨学金なども取り消しになることがあるので気をつけなければいけません。
いかがだったでしょうか。アメリカの単位制度、GPA制度は近年日本の大学でも採用されているので馴染みのある方もいるかと思いますが、そういった方でもきちんと成績制度は把握しておく必要があります。 編入などの場合、単位変換がもっと複雑になったりするので計画的に授業をとる必要があります。
ではまた。
 
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