『アメリカの公共交通機関事情』

こんにちは。「アメリカと言えば」と尋ねられて思いつくことは何でしょうか?自由の女神。ハリウッド。ロッキー山脈。全てがデカイ。などなど。日本とは色々な点で文化的にも違う国ですが、人々は通勤や日常生活でどのように移動しているでしょうか。そうです、車です。アメリカと言えば車社会というイメージがあるほどマイカーがないと生活できません。これは事実ではありますが、では公共交通機関が発達している地域はないのでしょうか。
ということで今回はアメリカの交通機関事情について解説していきます。

田舎や小規模の町、さらには中規模の都市にはバスしかない

みなさんがアメリカのどこの町や都市に留学するか、旅行するかに関わらず、田舎や小規模の町、中規模の都市には公共交通機関と呼べるものは市営のバスくらいしかないということは共通しています。東京都市圏や大阪圏のようなどこまでも伸びていて通勤に使える電車というものはありません。
市営のバスは素直に超不便です笑
 
とてもではないですが市営のバスで通勤、通学することはできません。なぜならバスは30分に1本くらいしか来ないことが多く、バス停に到着する時間も正確ではありませんし、1つの目的地に着くためにはバス停をいくつも乗り換えなければいけないこともあります。
たった7、8km先の目的地に到着すために2回乗り換えをしてかかる時間は1時間30分など(もはや歩いた方が断然早いなんてことも)。
目安として人口が50万人程度の中規模の都市であればバスとシェアリングエコノミーサービスとして話題のUberやLyftがありますが、それでも不便と言わざるをえないでしょう。
もし留学生としてこのような地域に留学することがあれば、公共交通機関の不便さは覚悟しておかなければなりません。もちろん、田舎町などにも良い点はたくさんあるので、あくまでもデメリットの1つ程度に覚えておいてください。

電車が通ってるのはどこの都市?

 
では逆に電車や地下鉄が走っていて通勤にも使える程度に整備されているのはアメリカのどこの都市でしょうか。では以下にそれらの都市を列挙してみました。
【西部(West)】
・Seattle ・Portland ・Los Angels ・San Francisco ・San Diego
【南西部(Southwest)】
・Denver
【中西部(Midwest)】
・Chicago
【南東部(Southeast)】
・Atlanta
【東部(East)】 ・New York City ・Jersey City ・Washington D.C. ・Boston ・Philadelphia
いかがでしょうか。あなたが訪れるまたは住む予定の都市は含まれていましたか。
主に電車・地下鉄が発達しているのは西部か東部の大都市で、残念ながらアメリカの中部の都市ではほとんど通勤で乗れる電車は発達しておりません。
この中でも特に、New York City、Washington D.C.、Boston、San Francisco、Chicago、Seattleといった都市の電車・地下鉄網は整備されていて、都市郊外まできちんとくまなく伸びています。1時間あたりの電車の本数も多いのが特徴です。
New York Cityなんかであれば、自転車と電車を組み合わせて使う方が車を持つよりも費用も抑えられますし、何といっても断然早く目的地に着けるので便利です。
こういった都市の電車賃の相場は目的地を問わず1回あたり$2.50くらいという料金設定が多いです。距離によって変わる日本のような電車賃システムを採用しているところもありますが、だいたい1回に$2.50くらいかかると思っておけば良いでしょう。

[アメリカの長距離高速バスたち]

ここまでは通勤・通学に使える公共交通機関ということで比較的短い距離を移動するための手段としてバスや電車を紹介しました。では今度はちょっとした旅行などに使えるアメリカの長距離高速バスを紹介します。
 
【アメリカ縦断も横断も可能Greyhound】
アメリカで最も有名なバス会社といえばGreyhoundです。アメリカの中規模・大規模都市をくまなくつなぎ、低価格で国土を縦断または横断することができます。大都市のGreyhound駅では乗り換えをして他の大都市へ行くバスに乗ることができます。
以下がGreyhoundにアクセスできる都市です。黄色の丸は州内にGreyhoundバスの停留所がたくさんあることを示しています。
(引用: Greyhound.com https://bustracker.greyhound.com/stop-finder/)
Greyhoundでは大都市間の途中で何回か停車駅がありそこで降りる人もいますが、バスの下に荷物を入れておいた場合、その停車駅で降りた人が他の人のバッグを盗難することも実際にあり得ます。
停車駅の5分休憩くらいの時に自分も一緒に降りるなどして盗まれないようにする努力が必要です。
(参照:Greyhoundのウェブサイト。https://www.greyhound.com/en/) 
 
【超格安バスMegabus】
Greyhoundほどは鉄道網が伸びてはいませんが、特に東海岸に住む予定、または訪れる予定の方には大変便利で格安なのがMegabusです。
先ずは下記のMegabusにアクセスできる都市を目を通してください。
 
(引用:Megabus.com https://us.megabus.com/journey-planner/map)  
このように東部とカリフォルニア、テキサスあたりの一部の他の地域にまたがっています。
Megabusの特徴は何と言ってもその価格で、旅程などが早く決まっていれば3、4ヶ月先に予約する際にチケット片道$1で買えます。
東部に住んでる方にはGreyhoundよりも圧倒的にオススメできるバス会社であるといえます。
ちなみにMegabusはアメリカ以外にもカナダやヨーロッパにもあり、それらの国を訪れる際にもチェックしておきたいですね。
Megabusのウェブサイト (参照:https://us.megabus.com/)

[ゆっくりとした鉄道の旅をするならAmtrack]

最後に便利とは言い難いですが、長距離の旅行をゆったりとしたいと言う方へはAmtrackという鉄道会社を使うのも手です。
Amtrackは戦後1970年代に建てられたアメリカ全土を横断・縦断する貨物列車です。そのためスピードはあまり出しませんが、貨物と一緒にゆっくりと旅行をするのに向いています。 
以前Ohio州のCleveland近郊に住んでいた時には夜23:30のバスでシカゴまで8時間かけて行きました。夜寝るだけだったので8時間は長く感じず、朝起きたらChicagoに到着して、こういう使い方もあるのだと思いました。
話は多少逸れましたが、こちらがAmtrackの鉄道網です。
(参照:
https://www.amtrak.com/content/dam/projects/dotcom/english/public/documents/Maps/Amtrak-System-Map-1018.pdf)
まさに全米をつないでいるといっても過言ではないほど鉄道網が国土を覆っています。Amtrackはそこまで料金は安くないですが(片道最低$100ほど)、公共交通機関とは考えず、列車の旅という位置付けで使うのであれば面白いと思います。
Amtrackのウェブサイト (参照:https://www.amtrak.com/home)

まとめ

    ・アメリカは車社会というほどほとんどの都市で車なしでは生活できない
    ・New York City、Boston、Washington D.C.、Chicago、San Franciscoなどの大都市では電車や地下鉄が非常に整備されている
    ・すごく便利というわけではないが長距離の移動手段として高速バスや鉄道がある。特に東海岸に住んでいる場合はMegabusがオススメ
 
いかがでしたか。アメリカに留学や旅行をする際にはこういった公共交通機関のことも頭に入れて留学・旅行準備をすると、現地に実際に行った時にスムーズになります。
昨今ではUberやLyftといったシェアリングサービスも広がってきて、少しづつ公共交通機関が改善されています。
最後にお伝えしたいのがこういった安価な公共交通機関、特に小規模・中規模の都市のものは、いわゆるホームレスや貧困層の人々も利用していて治安の面からいえばあまり良くはないので、そのあたりもきちんと考えて利用したいものです。
 
このような公共交通機関を利用すること意外にも費用を抑えて旅行する方法をこちらの記事で紹介してますのでよろしければこちらもどうぞ。
ではまた。
 
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