『途中からの入学も大丈夫!アメリカの大学の編入制度とは』

こんにちは。アメリカには編入留学制度があり多くの学生が編入をして他の大学に移っています。日本では入試という大変長い道のりを乗り越えたのち入学しその大学を卒業するのが一般的ですが編入に関してはそこまで一般的ではありません。 今回はアメリカの大学の編入制度に焦点を当ててお話しします。
 

編入の目的

編入のことを英語では「transfer」と言い、アメリカの大学ではとても一般的です。ではなぜ多くのアメリカの大学生は編入するのでしょうか。
編入の目的には以下のようなものがあります。 1. よりレベルの高い大学を目指すため 2. 大学アスリートが出場機会を求めるため 3. 専攻を変更するため 4. 学費の節約のため 5. 資格を取得するため
 

 
1. よりレベルの高い大学を目指すため
大学生の中には入学時に希望の大学には入れなかったけど、1、2年次を他の大学で単位をとり、3、4年生で元々行きたかった大学を編入という形でもう一度志望してみる学生も多くいます。Ivy League、Stanford、MITなど国内外から圧倒的な人気を誇る大学は狭き門である一方、その教育レベルの高さは保証されていますので、編入での再出願をする学生も多くいます。その際には1、2年次での成績や課外活動の実績などがすごく評価されるので学生は1、2年次に学業や課外活動に没頭して良いモチベーションともなります。
 

 
2. 大学アスリートが出場機会を求めるため
NCAA(National Collegiate Athletic Associationの略)に所属する大学アスリートたちは常に上昇志向でスタメンとして活躍するために日々スポーツに打ち込んでいます。特にNCAA Division I(大学一部リーグ)の試合は全米中でテレビ放送されそこで良い成績を収めるとドラフトで指名されプロに進むことができます。スタメンとして長きに渡って活躍することはプロになるためには必要不可欠であり、自分の大学で出場機会を得られない選手は他の大学に編入してスタメンの座を狙いにいきます。
NCAA Division Iに所属する大学は大規模のものが多く、そこに所属する学生には編入は進路選択の1つとして常に考えられています。
これに関連してスポーツ留学に興味がある方はこちらの記事もどうぞ。
 

 
3. 専攻を変更するため
アメリカの大学では日本でいう学部や学科にあたる「専攻(Major)」を変更することができ、1年次に実際自分の専攻のクラスをいくつか履修してみたら思っていたものと違ったなんてことはよくあります。
また日々の生活を送る中で新しい興味関心が増え、違う学問を学びたいと思った時に現在の大学がその学問領域を学位として提供してないことが度々あり、そのような場合にも編入することがよくあります。アメリカには4,000以上の大学があり珍しい専攻を提供している大学もあるので別の専攻を学ぶための編入も当たり前です。
 

 
4.学費の節約のため
日本の大学やや世界の大学の学費と比べてアメリカの大学の学費は非常に高額です。年間に300万円や400万円もかかる大学もあり、4年間も通うと1,000万円以上かかるなんてこともよくある話です。そのため最初の1、2年間はなるべく学費の安めの小規模大学に通い、一般教養のクラスや自分の専攻のクラスをきちんと履修し、その単位を3、4年次から通う費用の高めの大学に移して卒業することで、費用を抑えることができます。この際、1、2年次に小規模の大学(リベラルアーツなど)に通うか、Community College(コミュニティカレッジ)に通うかは人によりけりです。
 

 
5.資格を取得するため
大学生の中には資格を取得する必要があるため大学に通わなければならないことがあります。例えば教師が良い例です。
アメリカで教師になるためには教員免許を取らなければならず、教員免許をとるためには大学に通う必要があります。しかし「Accreditation」と呼ばれる大学の学部やカリキュラムを有識者で結成される公的な機関からの「認可」がなければ、その大学で学位を取得したとしても州から発行される正式な教員免許をとることができないといった状況になります。
この「Accreditation」は有識者によって毎年きちんと精査され大学が提供するカリキュラムの「質」を図っているため、その「質」が悪いとAccreditationを失うということもあり得ます。教育学部がそのプログラムのAccreditationを失った場合、教師を志望している学生も正規の教員免許を取得することができないことが起こり得ます。つまり学部がAccreditationを失うとわかれば、学生もきちんとしたプログラムを提供している他の大学に編入してしまいます。こういった資格に関わる学部はAccreditationを失うと多くの生徒が流失してしまうことにつながるので大学側も必死に教育の質を向上させようとする仕組みなのです。
 
アメリカでの教育専攻に関してはこちらの記事でより深く解説しています。
 

 

編入留学の際の注意点

編入にはコストを抑えられることやより高いレベルを求めて場所を変えられるなどメリットが多い反面、編入留学を考える際に気をつけなければいけないこともあります。
* 単位を大幅に落とすこと * 友達作りをイチからすること * 引越しが大変なこと
一番注意しなければいけないのが、編入することによって単位を大幅に落としてしまう可能性があることです。
例えば編入元の大学が3単位制(基本各クラス3単位)を使用していたのに、編入先の大学では4単位制を使用していた場合。編入先の大学では履修したクラスの内容に大きな差があり単位として認められない場合。専攻を変更したため新たに追加で取らなければならないクラスが増えた場合など色々なケースがあります。編入を考えている場合、1、2年次には単位として認められやすい一般教養のクラスから履修していきましょう
一般教養のクラスに関してはこちらでより深く解説しています。
新しい環境でまたイチから友達を作り直さなければいけないことも留学生にとっては大変なことの一つです。
気の合う仲間を見つけることは日本でも簡単ではないのにまして異国の地ですから一筋縄では行かないのも事実です。そういった新しい環境を楽しめる人には編入はもってこいかもしれません。
最後に引越しが大変なことが挙げられます。
最初の2年間であまりモノを買っていない人や断捨離が上手い人ならともかく、自分の様々な私物を編入先の土地に持っていかなければいけなくなります。編入を最初から視野に入れている人はあまりモノを買わないように努めましょう。
 

 

編入に必要な手続き

編入に必要な手続きは1年生として入学する場合とほとんど変わりません
TOEFLの点数エッセイを願書と一緒に提出しなければいけなかったり、合格をもらえたらビザをアメリカ大使館に取りに行ったり等。
違う点と言えば以前の大学の成績を出願の際に提出する必要があり、編入先の大学はこの履修済みの成績を非常に重視します。編入する際もGPAで3.0以上あることが望ましい。

 


 

[まとめ]

    ・編入をする目的は学問やスポーツでより高いレベルを目指すためや、違う専攻を学ぶため、学費を抑えるためなど様々
    ・単位を落とさないように一般教養のクラスを1、2年次に履修したりして計画的に編入準備を進める
    ・あまりモノを買わないようにして、引越ししやすくする
    ・現在の学校の成績をよくする
 
いかがでしたか。編入するメリットはたくさんあり、アメリカではとても一般的です。新しい環境で学べるということもワクワクするのではないでしょうか。もし編入を考えるのであれば、1年次から計画的に履修し目標をもち、モチベーションを保ちましょう。
ではまた。
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