『アメリカの大学のSummer Term: 夏季講習って受講した方が良いの?』

こんにちは。以前の記事でアメリカ留学中の夏休みの過ごし方についてる中で夏季講習にも少し触れました。今回は必須ではない夏季講習のメリットやデメリットについてもっと深掘りしていき、春学期(Spring Semester)が終わった後にどうするか悩んでいる方へ少しでも役に立てたら良いなと思います。

大学学部生にとっては夏季講習は必須ではない

まず単刀直入にアメリカの大学の学部生(Undergrasutate)にとって夏季講習は必須ではありません。あくまで選択なので取らない人の方が圧倒的に多いです。
夏季講習を受講するには学期ごとに支払っている学費とは別に追加で夏季講習分の学費を支払う必要があります。    
一方、大学院生(Graduate)の場合は夏季講習も必須であることが多いです。大学院生のクラスはより研究寄りなので夏の間も継続的に研究に打ち込むことが求められるからです。セメスターあたり留学生は最低9クラス取らなければいけないと決められていますがこれは学部生の12単位と比べると1クラス分少ないことになります。
大学院生は学問のより深いことを求められるのでセメスターあたりに履修必須の単位数が低く設定されています。「狭く深く」がモットーなのです。
夏季講習中はキャンパスに他の学部生の数も少ないのである意味集中して取り組みやすい環境であると言えます。      

 夏季講習のシステム   

「夏季講習=サマーターム」のシステムは、基本的に最低5週間から6週間にわたって行われます。単位数によっても変わってきますがクラスは毎日あるのが一般的です。 
毎日2時間、3時間あるようなクラスの場合、3週間という短期でプログラムが終了し単位が取れたりします。  
例えば、3単位の Introduction to Biologyのクラスを夏季講習で受講するとしましょう。通常のセメスターで1日1時間の授業を週3回、16週間で終了となるとします。つまり「1時間 × 3日 × 16週間=48時間」、48時間分授業を受けるとなると3単位もらえるわけなのです。  
 1日100分(1.5時間)の授業を平日毎日(5日)、6週間夏期講習として受けるとなると、「100分 × 5日間 × 6週間 = 3000時間 =50時間」 となるのでほぼ同じくらいの時間になります。この計算はあくまで例なので通常のセメスターの総時間数と夏期講習での総時間数が同じになったり、数時間の誤差があることもあります。    

夏季講習のメリット

夏季講習には様々なメリットがあります。
    ・キャンパス内に人が少なく、学問に集中できる
    ・教授から一人一人の生徒へのケアがより行き届く
    ・普段あまり会話しない人と会話する機会が増える
    ・余暇の時間と学問の時間のバランスをとりやすい
なんといっても夏季講習は通常のセメスターよりも学生が少なく、イベントごとなどもあまりないため学問に集中できます。人があまりいないからこそいつも遊んでいる友達ではなく、新しい友達ができるというのもあります。
とはいえ夏季講習で履修するクラスというのは大抵1クラスか2クラスで、すごく忙しいということはありません。夏のあったかい日に外に出て、ひなたぼっこをしたり余暇の時間も同時に楽しめますよ!    
教授も通常のセメスターほど学生がいない分、学生一人一人により手厚いケアを行き届けさせることができます。教授にとっても夏休みは自分の研究に打ち込める時間で、やる気のある学生を教授のアシスタントとして現場での経験を積ませてあげたりもします。Lab(実験)がある理系の学生に教授のアシスタントの声がかかることが多いです。
大学院がある学校では大学院生がアシスタントを行う傾向にありますが、大学院がないような小規模の大学ですと、学部生がアシスタントになることも。    

夏季講習のデメリット

    ・追加で学費や寮費を支払う必要がある
    ・夏休み中、日本に帰れないまたは帰るのが遅れる
    ・周りの友達も実家に帰ったり日本に帰ったりして寂しさを覚えることがある
 夏期講習に参加することのメリットがある一方でもちろんデメリットもあります。
まずなんといっても学費や寮費、その他生活費が余分にかかることです。学費は1単位あたり$300-$500くらいで学校によりけりですが、大学院生の方が学部生の1単位あたりの学費のプラス$50-100くらいかかります。    
そのため、1クラス分(3単位)にかかる費用は1単位あたり$300の場合、「3×$300=$900」かかることになります。Lab(実験)のクラスなどがある場合、追加でLab Feeというのがとられる場合もあります。    
夏期講習はセメスターが終わってすぐ次の週に始まるコースや、6月、7月に始まるコースなど様々。オンラインのクラスではない限り、その夏季講習の期間はアメリカにいる必要があるので、日本に帰れなかったり帰るのが遅れます。
一方、なるべく英語を使う環境に身をおきたい人やホームシックをあまり感じない人などにはデメリットには感じないかもしれません。    

夏季講習は他の大学でも受けられる!

夏期講習のメリットの部分で述べませんでしたが、夏期講習の良いところは他の大学でもクラスを受講することができるということです。例えばHarvard University(ハーバード大学)やMIT(マサチューセッツ工科大学)といった入学するのが難関な大学でも、夏期講習を受講することができます。
学外の学生には余分に払わなければならない料金もありますが、最高峰の大学で最高峰の教授の授業を受けることもできるのはアメリカの大学の夏期講習ならではと言えます。    
注意しなければならないのは他の大学で夏期講習を受ける際、取得した単位が自分の大学の単位にきちんと変換されるか事前に確認しておく必要があるということです。General Educationと呼ばれる一般教養のクラスは夏期講習でもたくさん提供されていて、選択肢が多いです。そのため4年間の大学の履修計画をする際に、General Educationのクラスを夏期講習に受講して、通常のセメスターは自分のメジャーのクラスをなるべく多く履修するということもできます。特にダブルメジャーなんかで履修しなければいけないクラスが多い人には有効でしょう。  
   

 まとめ

    ・夏期講習は学部生にとってはエクストラであって必修ではないが、大学院生には必須の場合が多い
    ・通常のセメスターなら15・16週間かけて学ぶ範囲を5・6週間、もっと早い場合、毎日授業があり短期集中プログラムで2週間や3週間で終わる場合もある
    ・キャンパス内に人が少なく学問に集中できる環境であり、教授も一人一人の生徒によりケアを行き届けることができる
    ・学部によっては教授のアシスタントとして実験など、実務経験を積むことができる
    ・追加で夏期講習用に学費や寮費などを支払う必要がある
    ・夏期講習の間日本に帰れないまたは帰るのが遅れる
    ・夏期講習はオンラインやオフラインで他の大学でも受講できる
     いかがでしたか。夏期講習はうまく使えば通常のセメスター以上に学びを得られる時間であり、追加にかかる費用以上にメリットもあります。入学した際に夏期講習のことも頭の片隅にいれておけば履修登録時に上手に卒業までのプランを組むことにつながります。    
是非有意義な夏休みとと受講するのであれば夏期講習期間を過ごしてください! 
ではまた。
  
Amerism