『コロナ禍、コロナ後のアメリカ留学』

こんにちは。新型コロナウイルスが世界中で蔓延し始めてもうすぐで半年になります。旅行業界・留学業界も相当なダメージを負っている現状で、いつこのコロナ不況が収束するかの見通しもまだ立ちません。世の中でいう『After コロナ』の世の中で、当方アメリズムも人ごとではありませんが、留学業界はどのような状況になっていくのでしょうか。  

2020年8月9日現在のアメリカ留学状況 

この記事を書いている2020年8月9日現在、アメリカ大使館の情報によるとH1Bビザ(就労ビザ)、H2Bビザ(季節労働者ビザ)、Lビザ(企業内転勤社用ビザ)などの非移民ビザは発給を停止しています。
 
一方、新規のF-1ビザ(やM/J/E1/E2ビザ)の発給を条件付きで開始し始めています。2020年7月24日づけの情報で、新規のF-1学生ビザ(長期滞在学生ビザ)を取得するためには最低でも1クラスの”in-person class(現地の学校での対面での授業)”を受講しないとF-1ビザの発給を認めないということです。全てオンラインで受講する場合には学校への入学、クラスの履修は認められSEVIS I-20の記録には残るものの、F-1ビザはその時点で発給されないというのが結論です。
(参照:node.data.uri
今現在、感染者増加が止まることを知らないアメリカに行くことはリスクであるのでオンラインで全て履修するか、現地での学校生活を味わいたいというのも考慮に入れ対面での授業を取るのかは生徒に委ねられている状況です。  
Continuing Studentと呼ばれるいわゆる新入生ではない既存の学生の学生ビザ(F-1)は全てオンラインクラスで履修したとしてもそのままのステータスを維持できます。 ビザ面接に関してですが東京港区にあるアメリカ大使館での面接は行えず、大阪米国総領事館、福岡米国総領事館、札幌米国総領事館では限られた数の定員でビザ面接を開始しています。 (参照:node.data.uri

オンラインのみの留学に果たして『意味』があるのか。

これを読んでいただいている方は多少なりとも留学に興味があり、現地で英語を使って生活するという留学の醍醐味を感じたいと思っている方が多いと思います。
 
そんな中オンライン授業のみを日本で受けて、単位は取れてもほとんど『留学』を味わえないということに戸惑いを感じていると思います。留学、特にアメリカ留学にかかる費用というのは高額です。
 
現地の人と授業内外、キャンパス内外で交流することで得られる経験という醍醐味がなくなってしまう留学に果たして『意味』はあるのか。私が現在留学を考えている学生本人だとすれば間違いなく、『意味ない』と思います。そして現在アメリカ留学アドバイザーの立場にありながらこんなこと言うのもなんですが、費用対効果からすると今アメリカの学校に入学をするのはほとんどの人にとって『もったいないな』と思います。
 
何故かは上記で説明した通り、オンラインクラスのみでは現地の人と交流できる機会が限りなくゼロに近いから。しかしこの『もったいない』に当てはまらない人もいます。それは日本で会社員なりで日中働きながら、オンラインで大学(院)などの学位を最初から取ろうと思っていた人です。家庭があり会社で働いていて、尚且つオンラインで学位を取得したいと思っているような努力家で素晴らしい方には逆に今こそ感染リスクを避けて家に篭るしかないというこの状況が自分が学びたい学問に集中して取り組める時期なのであると考えます。
 
これがアメリカに長期間住み日本の大学よりも高額な学費を払って学位を取得した私(代表)の結論です。  
上記で述べたように学生ビザなら対面授業を履修すれば現地に渡米することはできます。でもみなさんが思うような活気に満ちた留学生活を過ごせるかというと今のところは甚だ疑問です。色々なところで制限が出てくるでしょう。
 
一方、ワクチンが広まり感染が落ち着いてくれば、アメリカ現地での留学という選択肢が再びポジティブなものとなってくるでしょう。ただオンライン学習の広がりにより、オンラインのみでも良いという方の割合も以前と比べると増えてくるであろうことも想像に難くありません。

今後のアメリカ留学先の展望 

今回のコロナウイルスの影響により、今まで留学先として人気だったアメリカの都市に変化が起こることが予想されます。人気の都市であるカリフォルニア州ロサンゼルス、サンフランシスコ、ニューヨーク州ニューヨークシティ、マサチューセッツ州ボストン、イリノイ州シカゴなどのいわゆる大都市が、混雑して人が多いため感染への懸念を持ち続け敬遠されることが予想されます。
 
反対に、今まではあまり留学先としては知名度のなかった田舎の街やマイナーな州への留学にスポットライトがあたり、アメリカ留学への多様性が出てくるという点はポジティブな側面であると言えます。
日本人には一般的に知られていない『謎な州』も実は魅力があるのだということをアメリカ留学及び他の国への留学を検討している人にもこの機会に是非知っていただきたいですね。どんどん自らで調べ選択肢を増やす準備をするのが現時点でできるベターな選択です。私も最終的に卒業した大学はオクラホマ 州の大学で日本での知名度はほぼ皆無。それでも大都市ではなかなか見れない光景や経験もできたので後悔などは全くありません。  

まとめ

    ・2020年8月9日現在、H1B/H2B/Lビザの新規での発給は止められている
    ・F/M/J/E1/E2ビザの発給は開始されている
    ・一般的な学生ビザであるF-1ビザを新規に取得するにはアメリカ現地で対面の授業を履修する必要があ理、全てオンラインクラスを履修する場合はF-1ビザは発給されない
    ・現時点で東京都港区にあるアメリカ大使館でのビザ面接は再開しておらず、大阪・福岡・札幌の米国総領事館でのみビザ面接を受けられる
    ・現時点でアメリカ現地で留学できないのに高額な授業料を支払うメリットは多くの人にとってあまりないと言える(代表の考え)が、働きながらオンラインのみで学位取得を目指す人にとっては今の外出しづらい状況は学習に専念できる良い機会である
    ・アフターコロナのアメリカ留学先は以前のような大都市ばかりが人気の留学先になるのではなく、マイナーな都市や田舎町、知名度のない州への留学にももっと目が向けられ留学先の多様化が進むと考えられる
  いかがでしたか。今回の記事では2020年8月9日現在のアメリカ留学に関する現状を書かせていただきました。またアメリズムにとって向かい風である状況ですが代表自身の現在のアメリカ留学に関する率直な意見も綴らせていただきました。   まだまだ状況が良くも悪くも急激に変化する状況で予断を許しませんが、一番大事なことはアメリカに留学することではなく皆さんの健康です。是非自分の中の天秤をうまく持ち、今は情報収集を徹底的にしてみてください。
ではまた。  
Amerism