『アメリカにスポーツ留学!大学の部活でプレーするには?』
こんにちは。昨今、NBAの八村累選手や渡辺雄太選手、陸上のサニブラウン・ハキーム選手などスポーツ留学による渡米をしている方々の活躍が著しいですね。では実際にアメリカでのスポーツ留学とはどのようなものなのでしょうか?スポーツ大国なだけあって厳しそうな感じですよね。私自身もアメリカに留学中に(スポーツ留学という目的ではありませんでしたが)部活に2年間ほど所属していましたので、その経験も踏まえて、アメリカでのスポーツ留学について深掘りしていこうと思います。
アメリカの大学スポーツを取り締まっているNCAAとは
アメリカの大学スポーツにはNCAA(National Collegiate Athletic Association)という4年生大学のスポーツを取り締まっている機関があり、アメリカでスポーツ留学をしたい人やプロにまでなりたい人のほとんどはNCAAに所属している大学に進学します。コミュニティカレッジのスポーツを管轄しているNJCAA(National Junior College Athletic Association)という機関もありますが今回はNCAAに焦点を当ててお話しします。
NCAAには主に大学の規模などによってDivision(ディビジョン)と呼ばれるクラスを分けています。Division Ⅰ(ディビジョン・ワン)、Division Ⅱ(ディビジョン・ツー)、Division Ⅲ(ディビジョン・スリー)です。
学生がスポーツでの奨学金を貰えるのはDivision ⅠとDivision IIに所属している学校のみとなります。Division Ⅲの大学は学生にスポーツでの奨学金を与えることはできません。つまり必然的にレベルの高い高校生アスリートはDivision IIIにはいかずにDIvision IかIIの学校に行きます。大学の規模的にDivision Iの学校には10,000人以上の大規模大学が多く続いてDIvision II、DIvision IIIと小規模に
なっていきます。多くのリベラルアーツカレッジはDivision IIIに所属しています。
トップアスリートやプロまで見据える学生のほとんどはDIvision Iの学校に行きます。Division Iの試合は全米中で放送している民間のテレビ放送で放送されるため注目度が高いですし、プロチームからの注目も集めやすいからです。特にバスケットボールとアメフトはシーズンを通して大々的に各局の放送で扱われる人気コンテンツです。NCAAはそう言ったテレビ関係からの放映権や各学校からの加盟金などで成り立っています。
NCAAは大学スポーツでありながら、プロと同等に大学生アスリートを扱います。呼び方もStudent Athleteです。基本的に最大4年間までしかプレーできなくなっており、編入した際や怪我をしてシーズンを通してプレーできなかった際のルールなども細かく定めています。当然のことながら薬物に関する規定や、各大学との契約のルールなど部活に入る前に書かなければならない書類もたくさんあります。契約社会が根付いているアメリカを象徴していますね。
日本人学生はどこのDivisionの学校を選ぶべき?
ずばり日本からのスポーツ留学生はNCAAのどのDivisionを選ぶべきなのでしょうか。
もちろん各個人の状況によりますが、まず言えるのはオファーがあればDivision Iの大学でプレーすべきです。
Division Iの大学でバスケットボールやアメフトを除くスポーツには多くの留学生が在籍しています。なぜバスケとアメフトはあまり留学生がいないかは、2つのスポーツをイメージするとわかりやすいですが、とにかくアメリカ人学生が強いスポーツなので、国外に選手をリクルートしに行く必要がほとんどないからです。
反対にそれ以外のスポーツ、例えばサッカーやテニス、陸上などは日本からの留学生もしばしば見ますし、アメリカの学生と同じかそれ以上の比率で留学生が在籍している部活も多くあります。
何はともあれ、Division Iのチームから高校時代の実績が認められスカウトされた場合などは奨学金など待遇も良い場合が多いので、Division Iのチーム・大学を選ぶべきです。
しかし、Division IやIIのチームに入るには英語の試験であるTOEFLの点数はもちろんのこと、アメリカの共通テストであるACT(American College Test)やSAT(Scholastics Assessment Test)で一定のスコアを取らなければ入部が認められない仕組みになっています。これらのテストはアメリカの高校生は大学に入学するために1度は必ず受けているテストですが、日本人も含めた留学生は最難関大学を除いて必須ではないことが多く、またとても難しいので日本に対策本などがあまり出回っていません。
アメリカの学生用に作られているのでリーディングパートなどはTOEFLより難しいとも言えます。反面、数学的思考力を問う問題などは日本の高校レベルの方が断然難しいので点数がとりやすい部分でもあります。
話を戻しますと、オファーがあればDivision IまたはDivision IIの大学を目指してください。オファーがない場合でもビデオ審査を行っての現地でのセレクションなどを経てスポーツ留学することも可能です。
Division IIIの大学は奨学金こそないものの、スポーツ留学がしやすい環境にあります。それはDivision IIIの大学が小規模のリベラルアーツカレッジであることが多く、学生数が少ないため学業の面でのサポートも受けやすいためです。
はじめのうちは学業とスポーツの両立をアメリカの学生ですら大変に感じますので留学生には尚更です。そう言った場合Division IIIの大学にまず入学してのちに大規模のDIvisiob IやIIの大学に編入する方法もあります。もちろんそのままDIvision IIIの大学で4年間プレーすることもできます。
私自身は大学院があるような規模の大きい大学に編入する前の2年間はDivision IIIに所属する小さなリベラルアーツの大学に入学しサッカー部に入りました。Division IIIの大学は競争もそこまで激しくないので部活によっては入部の条件がそこまで高くない部活も多いです。
私もサッカーが好きでそこまで上手いわけではありませんでしたが、コーチと会い、私の熱意を伝えると入部させてもらうことができました。
つまり、Division IやDivision IIの大学のセレクションに仮に落ちてしまった場合でも、Division IIIの大学でプレーしスポーツ留学をすることもできるわけです。特にバスケなんかはDivision IIIのチームでも相当上手い人がいるので(アメリカのバスケのレベルは尋常じゃなく高いです)。ある意味覚悟してください笑
部活の頻度や規定
アメリカの部活は文武両道が求められるため、NCAAは各学生にGPA2.0以上をキープすることを定めています。これを下回ればどんなにスポーツの才能が抜群の有望株の選手でもプレーできなくなってしまいます。そのため大学によってはStudent Athelete用にチューターを提供したり文武両道を積極的に促しています。
また部活も1年を通して活動が行われるわけではありません。アメリカの大学は2期制が基本で(FallとSpring)、公式戦があるシーズンは1学期分です。オフシーズンの1学期は監督やコーチなしで自主練という形を取らなければいけない期間が約2ヶ月、コーチングを受けられる期間が約2ヶ月など細かく決まっています。これに反し、コーチングをずっと受けている場合などは最悪の場合、NCAAから除名されることもあり、絶対的に遵守すべきルールとして扱われています。アメフトなどコンタクトが激しいスポーツは週あたりのボールを使った練習と筋トレの時間数なども定められています。そのため、追加でトレーニングをしたい場合など自己で管理する場面が多くなるため、スポーツ選手としての意識を持つ必要があると言えます。
まとめ
・アメリカの大学スポーツを管理しているのはNCAAでその規定はとても細かく厳し
・NCAAにはDivision I、II、IIIと日本の一部、二部、三部リーグの用に分かれている
・スポーツでの奨学金が貰えるのはDivision IとDivision IIの大学だけ
・プロアスリートを目指す場合Division Iのチームが好ましい
・Division IIIの部活は比較的入部条件が易しい
・Division IやIIのチームはSATやACTの最低スコアを定めている
・部活は1年を通して行われるわけではなく、自主練期間やコーチングを受けられる期間などが細かく決まっている
いかがでしたか。スポーツ大国アメリカはアメリカからの一流のStudent Athleteだけでなく世界中からの留学生アスリートも集う、とてもレベルの高い環境です。一方、自分の実力が世界で通じるかを確認したり、更に高める場としても最高の環境であるので、スポーツ留学を視野に入れている人は是非アメリカでのスポーツ留学を検討してみてください。
編入による留学などにも興味がある方はこちらもどうぞ。
ではまた。
Amerism