『アメリカで学校卒業後に働きたい!OPTとは?』

こんにちは。留学する前は就職のことあんまり考えてなかったけど、いざ大学3年生になると「卒業」、そして「就職」と言う現実に焦ってきた。。でもアメリカって就労ビザ取るの大変てことを耳にするんだよね。 今あなたがアメリカにすでに学位留学していたり、学位留学の先に現地就職について悩んでいるのなら、是非この記事を読んでいただいきたいと思います。 さて本題ですがアメリカで中学・高校留学を除く学位留学(コミュニティカレッジ、4年生大学、大学院)を終わった後に、留学生がアメリカで就労することができるプログラムがあります。それがOPTと呼ばれるプログラムです。OPTと似ているCPTについて書いた記事はこちらから読めるので、CPTについても知りたいという方はそちらも参考にして下さい。
 

 

OPTとは?アメリカで働ける権利をもらうのって難しいんじゃないの? 

 
 
ではまずOPTとは何なのか。OPTとはOptional Practical Trainingの略で上記で述べたように留学生が正規の留学を終えた後アメリカで働くことができる権利のことを指します。
Optionalと呼ぶくらいですので、OPTを使うことはあくまで権利であり義務ではありません。OPTを使わずに卒業後、日本で就職なんかも全然ありです。実際そういった留学生も多数います。
OPTにはPre-Completion OPTPost-Completion OPTと呼ばれる2つの種類がありますが、今回の記事では卒業後に使うPost-Completion OPTを中心に話していきます。Pre-Completion OPTについても下記で触れます。
OPTを使って働ける期間は12ヶ月、つまり1年です。「え、短っ!」と思うかもしれないですが、そうです。短いのです。ですが理系分野専攻の学生は24ヶ月のOPT延長をすることができます
理系分野だと最大3年、それ以外の分野だと1年といかにアメリカが理系分野に力を入れて各国から優秀な学生を集めようとしているかがわかります。
OPTとは正式な就労ビザではありません。あくまでF-1(学生ビザ)のステータスで就労経験を積むことができるという条件です。OPTが終了した後、アメリカに残って働き続けたい場合は正式な就労ビザ、H1Bビザというのを取得する必要があります。
  

OPTの条件とは 

OPTは正規の学生として卒業すれば自動的に全ての学生に与えられるわけではありません。きちんとした手続きが必要です。データは2019年10月現在のものです。USCISのウェブサイトより参照。(https://www.uscis.gov/i-765)
    申請資格者:1アカデミックイヤー以上コミュニティカレッジまたは4年生大在籍者
    OPT申請可能時期:卒業の90日前
    職種:自分の専攻分野と同じ分野の職種
    申請料金:$410の申請料金 + $85の生体認証サービス料金 =$495
    申請にかかる時期:最低90日程度
OPTプログラムに申請するにはアメリカのコミュニティカレッジや4年生大学に1アカデミックイヤー(授業がある期間)以上在籍していなければいけません。セメスター制を採用している学校なら2学期間以上ということです。
学位留学でなければいけないので語学学校で勉強していたとしてもOPTには参加できません。
申請は卒業日の90日前から可能ですので、5月卒業であれば2月の上旬、12月卒業であれば9月の中旬くらいから申請可能です。 申請料金は2019年現在、合計$495かかります。昔は$400くらいでしたが少し値上げされたようです。
申請には最低でも90日以上かかります。CPT(在学中に働くためのプログラム)の1〜2週間くらいと比べるととても長くかかります。CPTに関する記事はこちらから。
OPTではフルタイムの仕事はもちろん、ボランティアやパートタイムの仕事でも働いているとみなされます。
 

OPTを申請する際に気をつけるべきこと

 
OPTを申請する際に一番大事なのは時期です。
多くの留学生は5月に卒業するため、90日前の申請開始時期から続々とアメリカ全土の留学生がOPTの申請を始めます。USCIS(米国市民権・移民業務局)という国土安全保障省の一部である期間がOPTに関する業務を全て管轄しているのですが、USCISは申請された日が早い書類から先に処理していきます(多少前後はあるでしょうが)。
そのため申請開始日の2月上旬より1ヶ月遅く申請したりすると2、3ヶ月くらい遅く就労が認められるようになるなど、OPT申請は早くするのが鉄板です。
OPT申請をもらった時点で働き先の企業等が見つかってなくても申請できるので申請しましょう。企業によってはOPTが降りた後じゃないと安心して内定を与えることができないという理由で内定を勝ち取ることができまい場合もあります。申請後最低でも90日かかることを考慮すると、大学卒業後、企業で就業を開始することができるのは早くても5月半ばくらいです。
上記で述べたように理系の学生(STEM-Science・Technology・Engineering・Mathematics)を専攻している学生は最大で24ヶ月のOPTの延長ができますが、延長の申請も必要です。延長してから約75〜90日くらいかかります。STEM Extensionに該当する専攻はこちらのリストを参照してください。
(参照:https://www.ice.gov/sites/default/files/documents/Document/2016/stem-list.pdf)
STEM Extensionの期間の24ヶ月間は、通常のOPTのようにパートタイムやボランティアでの仕事は認められず、週20時間以上働き対価としてお給料をしっかり貰えるフルタイムの仕事でなければいけません
OPTを申請しない場合、卒業した学生は60日以内にアメリカ国外から出なければいけません。しかし、OPTを申請している間、就労許可がおりていない場合で60日を過ぎていても、申請中のためアメリカ国内に留まっていても問題ありません。
  

無事に就労する権利が与えられた!その後にすべきことは? 

OPTに申請して無事に就労が認められるとUSCISからEAD (Employment Authorization Document) Cardと呼ばれる、免許証のようなカードが送られてきます。そのカードを就労先の企業に渡すと、企業はあなたが就労の有資格者であることをデータベースに載せることができます。これで晴れてOPTプログラムに参加できたと言えます。
OPTの期間中 (1年間)に90日以上時雇用されてない状態が続くとEADカードが失効してしまいます。EADカードが届いたけど、その後90日間たっても雇用先が見つかってない状態だと、残りの期間を待たずして帰国しなければいけないということです。これを免れるために、パートタイムやボランティアをして非雇用の状態を無くすということができます。
平均して週に20時間最低働く必要があるので、ボランティアの場合などきちんと何時間働いたかを責任者の方に説明をして日時とともに記入してもらいましょう。
 

Pre-Completion OPT

最後にPre-Completion OPTについてお話します。Pre-Completion OPTでは大学在学中に申請して、在学中にOPTプラグラムに参加できます。
Pre-Completion OPTに申請できるのは1アカデミックイヤーが終わった後で、初年度には参加できません。さらに在学中で、授業もあるということで、週に20時間までしか働けません。週に20時間まで働くことはF-1の学生の権利として学内でアルバイトとして働くことができますが、Pre-Completion OPTではお分かりのようにキャンパス外で働けます。
実際に在学中に働けるようになるCPTというプログラムもあるのですが (CPTに関する記事は記事上部のリンクから)、CPTでは卒業するための要件としてインターンシップをする必要がある場合で、Pre-Completion OPTは卒業要件ではないけど在学中に働きたいと思う学生のためのプログラムであると言えます。
注意しなければいけないのがPre-Completion OPTにはSTEM Extensionが無いこと。それからPre-Completion OPTに参加した場合、卒業後のOPT(Post-Completion OPT)で働ける期間の12ヶ月からPre-Completion OPTに参加した期間を差し引いた分が、卒業後のPost-Completion OPTの期間となります。

例. Post-Completion OPT=12ヶ月、Pre-Completion OPT=3ヶ月の場合 12-3=9 9ヶ月間が卒業後のPost-Completion OPTで働ける期間

まとめ

* OPTには2種類ある。Pre-Completion OPTとPost-Completion OPT。一般的に卒業後に留学生が働きたいという場合はPost-Completion OPTに申し込む * OPT下で働ける期間は12ヶ月で、申請は卒業日の90日前から可能 * EADカードを受理したのち90日以上非雇用の場合EADカードが失効し帰国しなければいけない * OPTにはコミュニティカレッジや4年生の大学に通っている学生の中で1アカデミック以上在学している学生が参加できる * STEMと呼ばれる理系分野専攻の学生は最大24ヶ月のOPTの延長ができる * OPTではパートタイムワークやボランティアも仕事とみなされる。STEM Extensionの24ヶ月延長期間は有給でフルタイムでなければいけない * 卒業にインターンや就労経験は必要条件ではないが就労してみたい学生はPre-Completion OPTに参加できる。Pre-Completion OPTの期間はPost-Completion OPTの期間から差し引かれる
いかがだったでしょうか。留学生が卒業後にアメリカで働きたいと考えた場合必ずと言っていいほど通る道であるOPT。あなたも留学中であれ、留学前の準備期間であれ知っておいて損はありません。
是非あなたもOPTを使ってアメリカでの就労を経験してみてください。
その他アメリカでの就労に関する記事はこちら。
ではまた。
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