『学校が始まる前に開設しなきゃ!アメリカの銀行口座開設方法と米銀行の比較』

渡米して留学生活が始まったけれども、いざ学校が始まる前に日本から学費や生活費を送金してもらわなきゃいけない! 留学生が渡米して一番最初にやることのひとつに銀行口座開設があります。リベラルアーツ系の大学やボーディングスクール(全寮制高校)へ長期留学の場合、学校のInternational Student Office(留学生事務局)のスタッフが車を所持していない留学生のために銀行まで連れて行ってくれます(学校に近い銀行等)。 でもどのたくさんある銀行の中からどれを選べば良いかという方のために、アメリカの銀行の基本情報と様々な銀行を紹介していきたいと思います。

アメリカの銀行口座の種類と特徴

 
アメリカの銀行口座には大きくわけて2つの種類があります。  
    Checking Account
    Saving Account
【Checking Account】
金利はほとんどつきませんが、日常生活に必要なお金を出し入れするための口座です。ATM等での引き出し回数の限度はありません小切手での支払いもChecking Accountからします。
【Saving Account】
貯蓄するための口座で、1ヶ月あたりのATMからお金を引き出したり、Checking Account にお金を移動させる回数には限度があります。そのため、Saving Accountのみを持つことは多少不便になるので、Checking Accountと両方開設するべきでしょう。
留学生の場合、学費などを前もって送ってもらう場合は引き出すことのあまりないSaving Accountに入れておくのがベターでしょう。
 

口座開設への必要書類

    身分証2つ(パスポート、ビザ、State ID、アメリカの免許証、国際免許証+日本の免許証)
    SSN(Social Security Number)*持っていれば
    印刷したI-94
    I-20
    学校側からの入学許可書(Enrollment Verification Letter)
 
アメリカで学生として銀行口座を開設するには上記のような書類が必要です。
アメリカの銀行は9時から5時までが基本的な営業時間です。この時間内にこれらの書類を漏れなく持っていきましょう。口座開設の手続きには30〜40分くらいかかります。
アメリカの免許証を持ってない場合、ビザつきのパスポート(必ず)に加え、州民であることを証明するState ID国際免許証を第二の身分証として持参しましょう。また学生の身分を証明するために、I-94I-20が必要です。
 

地方銀行 vs.大手銀行

【地方銀行のメリット】
    口座維持費用がかからない
    ローカルのビジネスへのサービスが充実している
【地方銀行のデメリット】
* その地域や州外に支店が少ない(または無い) * 海外から(へ)お金を送金するときの手数料が多少割高
地方銀行には口座維持費用がかからないところが多く、口座から毎月自動的にお金が減って行く心配もありません(これは多くの日本の銀行も同じですね)。
田舎の大学だと目の前に地方銀行の支店が建っていて、大学生への利便性を高めようとしている銀行も多くあります。また大学内のATMもその地方銀行のATMが入っていたりもして、留学生にとっては車がなくても気軽にアクセスできると言う点で便利です。
一方、その地域や州外へ出ると支店がほとんどなかったり、もしくは全くなかったりして不便に感じることもあります。
地方銀行で海外から(へ)お金を送金する場合、大手銀行を介するので送金手数料に加え、受け取り手数料、中継手数料も加わり、送金するのに(Wire Transfer)$50以上かかることが一般的。
アメリカのATMはその銀行口座を持っていれば深夜や営業時間外にお金を下ろしたとしても引き出し手数料はかかりません。
【大手銀行のメリット】
* 全米で支店の数が多く、州外に行ってもアクセスできる * 投資用など資産運用のオプションが多い * 国外にも支店がある * 日本語対応しているカスタマーサービスなどもある * 円・ドルの両替がしやすい
 
大手銀行のデメリット
* 口座維持手数料がかかる銀行がある
 
大手銀行のデメリットはなんと言っても銀行口座の維持費です。
平均して$10/月が一般的な口座手数料です。大手銀行の中には学生への口座手数料を免除してくれる銀行もあります。  
一方メリットはたくさんあります。大手銀行には支店の数が多いこと。また日本にも支店がある銀行もあり日本からの留学生には送金という点でメリットあります。
日本語でのカスタマーサービスを提供しているメガバンクもあります。
 

 

大手銀行の比較

ではアメリカの大手銀行の比較を簡単に紹介します。
【CHASE】  
アメリカ25の州とワシントンD.C.に支店を持つメガバンクです。
中西部グレートプレーンズの州には支店があまり無いので、そう言った地域に住む場合は不便になるかもしれません。 大学生は5年間、口座維持手数料が無料になります。それ以外の場合$6/月です。
Wire Transferで海外送金する場合、オンラインだと$40支店だと$45の費用がかかります。CHASEはこれまた大手であるJP Morganとのグループ会社を組んでいます。日本にも支店があります(JPMorgan CHASE Bank, N.A., TOKYO BRANCH)。
 
【Citi Bank】
Citi Bankは主にアメリカ東部の州ワシントンD.C.に支店を持つメガバンクです。
日本の個人向けの支店は2014年をめどに終了し、その権利をSMBC信託銀行プレスティアに移譲しています。つまり、一般の方が利用できるCitiBankはもう日本にはありません
外貨の小切手を日本円に変えてもらうなど、昔はCitiBankでできましたが、現在ではSMBC信託銀行プレスティアで口座を開設して変換してもらう必要があります。
主にカリフォルニアニューヨークといった大都市に支店が多くあります。
口座に合計$1,500は最低でも残高がないと口座手数料毎月$12かかります。
【Bank of America】
全米で37の州ワシントンD.C.に支店を持つメガバンクで、モンタナやノースダコタといった中西部の北の州やアラスカ、ハワイ以外の州には支店があります。日本にも支店があるものの個人用ではなく大企業や国際的な金融機関のみを顧客としています。
Bank of Americaは口座維持費として$12/月かかりますが、口座に$1,500以上の残高があるか、24歳以下の学生であれば口座維持費が無料になります。
【Wells Fargo】  
全米で最も支店の数が多いメガバンクで、利便性という点では一番優れている銀行です。
月の口座維持費用$10ですが、24歳以下の学生、口座に$1,500以上の残高があるか、月10回以上の取引がある方等は口座維持費用が免除されます。
Wells Fargoも日本に支店はあるものの、個人用の銀行ではなく、大企業や銀行、国際期間等へのみを顧客としています。
 
【Union Bank】  
最後にUnion Bankを紹介します。Union Bankは三菱UFJの子会社で、カリフォルニアを拠点にしている銀行。
日本にいながらネット経由でアメリカの銀行口座を開設できるのも特徴です。支店は、カリフォルニアに多数テキサスにあります。その他の州への留学の際は不便になるためオススメはできません。口座に$1,500以上残高がある場合は手数料が無料となります。それ以外の場合は$15かかります。
ユニオンバンクは現地でも日本語でのサービスを受けられるため、現地の生活に慣れてない方でも心いりません。
 

 

まとめ

    地銀の多くは口座手数料無料だが支店の数が州外には少ない
    メガバンクは口座手数料が発生する、もしくは無料になる場合でも条件がある一方、州外にも支店の数が多い
    口座開設には身分証が最低2つは必要(パスポート+State ID or 国際免許証 or アメリカの免許証等)
銀行口座を開設するのは留学してきて最初にやらなければいけないことの一つで、日本から学費や生活費などを送金するためにできる限り早めに終わらせておきたいことです。日本と多少違うこともあるものの、きちんとした手順を踏めば口座開設も難しくはありません。
ではまた。  
Amerism