『アメリカ留学に必要なエッセイの書き方:良いエッセイの要素とは?』
アメリカに留学すると様々なクラスで求められるライティングの能力ですが、そのフォーマットにはレポートからエッセイなど多様です。学校側が入学生のライティングの能力・クリティカルシンキングを測るために用いるのがエッセイで、留学生を含め入学志願者は大学側が定めたお題に対してエッセイを提出する必要があります。
今回はそんなエッセイの書き方に焦点を当て、合格を引き寄せるエッセイの重要項目についてお話ししていきます。
エッセイの基本構造
アメリカで求められるエッセイの基本構造は以下の通りです。
1. 導入 (Introduction)
2. 本文 (Body)
・ 論点一つ目
・ 論点二つ目
・ 論点三つ目
3. 結論 (Conclusion)
まず導入ですが自分がこのエッセイで何を描くのかを簡潔にまとめる役割を持ちます。英語でIntroductionともいいますが、読者がIntroductionだけを読んでどんな内容なのかをさらっとわかるようにまとめる役割があります。エッセイだけでなくレポートなどを書く際にも必要です。余談ですが、特にレポートなどの場合、Introductionの前にAbstract(要旨)というレポートの内容を簡潔にまとめた文のまとまりを書きます。)
本文で自分の論点を2つ3つと展開していくのが一般的ですが、その論点の内容もこの導入文で触れる必要があります。
次にBodyと呼ばれる本文です。多くの人は本文に3つ論点を書きます。2つじゃダメなのと思うかもしれませんが、巷にいう魔法の数字は「3」です。論点が2つでは少なすぎるし、4つ以上では多すぎて一つ一つの論点が内容の薄いものになってしまう可能性があるからです。例えば英検1級のWritingパートでもBodyには3つの論点を入れるように指示しています。入学のためのエッセイにも論点は3つ入れるのがセオリーです。
最後にConclusionという結論ですが、結論は本文で述べたことを再びまとめる必要があります。これは導入文と同じ働きをしていますので、使う語や言い回しを変えるのが良いでしょう。さらに、自分なりのコメントを最後に述べるのもこのConclusionパートです。
題材の選び方
エッセイを書くにあたって最も大事なものが題材の選び方です。大学側から大まかな題材は与えられるので、それを満たす自分の経験を含められる題材を選ぶのがまずエッセイのスタートです。
大学側から与えられる題材の例は
・あなたが経験した一番辛い出来事とどのようにしてそれを乗り越えたか、またその経験は現在のあなたにどのような影響を与えているか。
・あなたがある問題や考え方に疑問に思うことがあるとします。その疑問はあなたの視点など、何があなたに疑問を持たせるのでしょうか。ストーリーを踏まえて説明しなさい。
・あなたが時間を忘れるほど熱中しているものはなんでしょうか。そして何があなたをそこまで駆り立てるのか。説明しなさい。
など、「あなた」という人間がどのような人間なのかを問うてくる問題が多いのがわかるかと思います。どの題材にも自身の経験や考えとそれに伴う結果を結びつけることが良いエッセイの要素です。アメリカでは個人の個性を重視する傾向があるので、他人には書けないあなたなりのストーリと経験をエッセイに盛り込む必要があります。
例えば、賞を受賞した経験や課外活動などでの実績などはエッセイの中で自己アピールをする良い題材です。
題材を探す際にはブレインストーミングをして自分に関する事柄(好きなこと、趣味、これまで経験した課外活動など)をはじめにたくさん列挙していって、後から一つ一つのアイデアを題材として活用できるかどうか精査してみるのも良い方法です。
高校生になった時点で将来留学することが決まっている人などは、早くから課外活動に従事してエッセイの「ネタ」を集めるのも良いでしょう。動機は不純かと思われがちですが、課外活動などに従事することによって自分の中で新たな発見などがあり自分のためになるので積極的に行動して悪いことはありません。
ドラフトを書く
ドラフト(draft)というのは下書きのことです。ドラフトを書く際、本文に書く論点(3つがオススメ)が何であるのかをはっきりさせましょう。アメリカでWritingをする際にはいきなり完璧に書き上げるのではなく、まずは題材をもとに導入文から結論までを書きます。その後必ず第三者に読んでもらい批判してもらいましょう。客観的な意見・感想は良いエッセイを書き上げるのにはとても重要なことです。
第三者の意見を聞いた上で自分が書いた文章を編集します。その後また批評してもらい文章の質を上げていきます。
家族や友達など、複数人からの意見を聞いて総合的に自分のエッセイを批判してもらいましょう。
ネイティブスピーカーにチェックしてもらう
どんなに英語に自信があっても、バイリンガルの方でない限りはエッセイを書き上げたら英語のネイティブスピーカーに頼んで、細かい文法的な誤りがないかみてもらいましょう。
高校生ならば、学校にALTのネイティブ英語教師などがいる場合が多いので、事前に話を通しておいて放課後などの時間にみてもらうのが良いです。時間外の業務になってしまう可能性もあり断られることも往々にしてあると思いますが、ダメもとで話してみて下さい。
アメリカに留学した後には、こういった交渉能力やある意味での「図太さ」も必要になってきます。時間的な制約もあると思うので、エッセイの期日よりなるべく早く書き上げて、余裕を持って頼めるように努めましょう。
他の方法としては文法だけを直してくれるオンラインの文法チェック講師もいるのでそういったものを活用するのも良いと思います。
内容は良いのに、文法的に誤りが多くて出願先の担当者に悪い印象を与えてしまったらもったいない。文法チェックはマストと言っても良いでしょう。
まとめ
・エッセイの基本構造は、導入(Introduction)、本文(Body)、結論(Conclusion)の3つからなる
・エッセイの題材は自分の実績、能力、経験などをアピールできるような題材を選ぶ
書き始めはまずは大まかな流れを書き出す感覚でドラフトをかき、第三者の意見なども踏まえて何回も編集していく
・最後にネイティブスピーカーに文法的な誤りをチェックしてもらい、出願先の担当者が読みやすいようにする
いかがでしたか。良いエッセイを書くにはある程度の経験が必要なのは間違いありませんが、最も大事なことは自分自身を限られた文字数でアピールすることです。アメリカの入試はTOEFLやSAT/ACTのテストといった数値化できる項目と、エッセイのような自己表現をできる項目があり、どちらも大事であることは間違いありません。
数値化できる項目は足切りで、エッセイでどれだけ「人物」としてユニークかということをアメリカの入試では重視しますので、TOEFLの点数が良いからと言って安心できるといったことは全くありません。
是非エッセイを自分の強みにし、合格を勝ち取ってください。
実際に渡米した後、キャンパスでエッセイやライティング全般を手伝ってくれるWriting Centerという機関があります。その情報も下記の記事で詳しく解説していますので、よければお読み下さい。
ではまた。
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