『アメリカ留学中によく見かけるFERPAとは?』
こんにちは。アメリカ留学中の人や留学準備中によく見かける「FERPA」という言葉をご存知でしょうか。FERPAとはFamily Educational Rights and Privacy Actsの頭文字をとった法律名を表していて、日本語に訳すと「家族の教育上の権利及びプライバシー法」です。つまり子供や学生とその保護者の教育上の権利に関する法律です。では、このFERPAという法律は日本からの留学生にも関わってくるのでしょうか。今回はそんなFERPAの中身について詳しく見ていきましょう。
FERPAの目的
FERPAの主な目的は以下のようなことを保証することにあります。
1. 学生自身の教育情報を保護すること
2. 保護者による学生の教育情報を確認すること
3. 情報が間違っていた際に保護者はそれを修正できること
1つ目に関して、学校側は受け取った学生に関する情報を適切に保護・管理しなければいけません。FERPAは幼稚園生から大学生まで全ての学生に対して適用され、学生の個人情報の保護を教育機関は遵守しなければなりません。
2つ目は保護者が子供の教育情報を確認することを可能にすることを明記しています。子供の学校での成績などが良い例で、保護者は学校側に問い合わせればいつでも成績を確認できます。ただし学生である子供が18歳以上または大学生であればこの権利は子供側に譲渡され、子供自身が自分の成績や教育上の情報を保護者に開示するかどうかを選ぶことができます。大学の学費は保護者が払っているかどうかに関わらず、学生自身はこの権利を行使して、成績を公開しないという選択をすることもできます。
3つ目の保護者が間違っていた情報を修正できることも同様に、学生自身が18歳以上であれば自分で学校側に申告して情報を修正してもらうこともできます。
政府からの補助金を受けている全ての教育機関はこの法律を遵守しなければなりません。公立の学校はもちろんのこと、多くの私立大学が政府からの援助を受けているため、ほぼ全ての学校に当てはまると言えます。この規則を破った場合などは、政府からの補助金が減らされる等の措置もあり学生の権利やプライバシーを守ることに努めています。
留学生に関するFERPA
留学生もこのFERPAで守られる学生の定義に該当します。
高校留学の場合は、まだ保護者にその権利があるため保護者からの署名が必要ですし、大学や大学院留学の場合は留学生自身が情報の開示に関する決定をします。念を押していうと、FERPAは個人に対する権利であるので、仮に保護者が学費の全額を払ってくれているような場合でも情報を開示しなくても良いのです。
開示する情報の中には学校側が独自に設定できるものもあり、例えば学校によっては学生が所属しているクラブや課外活動をFERPAの対象にしているところとしていないところがあります。開示をFERPAで規定していない(=開示のために学生の同意が必要ない)情報のことをディレクトリ情報(directry information)と呼び、必ず同意が必要な情報をPII(Personally Identifiable Information)と呼びます。
留学先の学校が決まったらFERPAに関する同意書が進学先から郵送で送られてきます。
入学前にそれに署名をして送り返す必要があるので覚えておいてください。
まとめ
FERPAは学生の教育上の権利を守る法律で学生が18歳未満ならその権利は保護者が、18歳以上または大学生であれば学生側に権利がある
保護者や学生自身は教育上の情報を確認することができ、誤りがある場合は教育機関にその修正を求めることができる
留学生に関してもFERPAは適用され、入学前に署名をする必要がある
いかがでしたか。入学が決まって進学先から届いた手紙にFERPAが入っていて何かよくわからないといったことはよくあることで(実査に私もそうでした笑)、何かわからない書類に署名したくないという場合があるかもしれません。
そういった方にこの記事が少しでもお役に立てれば幸いです。アメリカはこうした権利関係に「うるさい」風潮があるので、この先留学後も色々な書類にサインすることがあるかもしれませんが、きちんと調べれば大抵の場合は情報が見つかります。
ではまた。
Amerism